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アメリカ教育事情

アメリカの教育は選択肢が多く、留学生はとまどいがちです。最適な学校を見つけるには、数多くの学校を吟味する必要があります。ここではアメリカの教育制度に関してご説明しますので、その過程を理解し、十分な情報をもとに留学先を決定できるよう、ぜひ参考にしてください。

学校概要

アメリカ人は普通、プライマリースクール(小学校)とセカンダリースクール(中、高等学校)合わせて12年間教育を受けます。高等学校の卒業証書または認定証書があれば、大学や職業訓練校、秘書養成学校、その他の専門学校への入学が可能となります。アメリカでは高卒の資格がないと、就職が大変難しくなります。
プライマリーおよびセカンダリースクール(小学校および中、高等学校):アメリカでは6歳前後で就学し、セカンダリースクールに進学します。セカンダリースクールは日本の中学にあたるミドルスクールまたはジュニアハイスクールと、高校にあたるシニアハイスクール(単に「ハイスクール」とも呼ばれます)の2つから成り立ちます。
アメリカでは、プライマリーおよびセカンダリースクールでの教育は合計12年間に渡り、学年のことを「グレード」とも言います。この12年間教育の最後の4年間はそれぞれフレッシュマン(9年生=中学3年生)、ソフォモア(10年生=高校1年生)、ジュニア(11年生=高校2年生)、シニア(12年生=高校3年生)と呼ばれ、この呼称は大学でも使われます。高校卒業にあたっては、卒業証書または認定証書が授与されます。
ハイヤーエジュケーション(高等教育):高校(12年生)卒業後、アメリカでは大学や職業訓練校、無単位の専門学校など、様々な学校に進学する機会があります。そのうち、カレッジやユニバーシティーと呼ばれる大学での教育は「ハイヤーエジュケーション(高等教育)」として知られています。
アメリカの12年生が日本のどの教育レベルに相当するかを調べておきましょう。国によっては、アメリカの大学に入学するにあたり、予備期間として1?2年間かかる場合があります。また、日本で大学教育を受けずに直接アメリカで大学教育を受けた場合、政府や企業が留学で修得した教育を認めない場合もありますので、事前に下調べをしておくことが重要です。
アドバンストプレースメント(AP):大学の中には、高校時代に履修済みの科目や、テストの結果からすでに学生が大学レベルの知識を有すると判断される科目に対して、単位を与えるところがあります。あなたもこの特例にあてはまるかどうか、留学生アドバイザーに聞いてみるといいでしょう。
大学院教育:大学を無事修了すると、学士号(バチェラーズ・ディグリー)が取得できます。ちなみに大学4年間の教育は、「アンダーグラジュエート」と呼ばれます。また、「グラジュエート・ディグリー」とは、MBAなどを含む修士課程(マスターズ・ディグリー)にあたり、修士課程の多くはポストグラジュエートもしくはドクトラル・ディグリーと呼ばれる博士号を最終的に取得するための前段階にあたります。しかし、ここ10年間で、修士号と博士号をひとつにした大学が多くなってきたので、入学前にこのシステムを十分に理解しておく必要があります。

学修課程

大学前半の2年間は一般的な教育を受けます。その後、ある特定分野を広範囲に渡って学び、入学から4年後には学士号が取得できます。
入学後1年目は「フレッシュマン(1年生)」、2年目は「ソフォモア(2年生)」と呼ばれ、歴史、文学、語学、数学、科学など、広範囲な分野から授業を履修することが義務付けられています。この前半の2年間は、数多くの分野を学ぶ機会が与えられるため、将来の専攻分野を選ぶ上で貴重な時期と言えます。大学1、2年生は「アンダークラスメン(下級生)」、また必修科目は「コアクラス」と呼ばれます。
「ジュニア(3年生)」と「シニア(4年生)」 は「アッパークラスメン(上級生)」と呼ばれます。3年生になると「メジャー(専攻)」を選択し、その学部や専攻分野から決められた数の授業をとることになります。大学での勉強の大半は専攻分野に費やされることになりますが、その他に自分の好きな科目を選んで学ぶことも可能です。このような科目は「エレクティブ(選択科目)」と呼ばれ、一般的に自分の興味のある科目や、最近話題の事柄を扱う科目であることが多いようです。 どの学生にも、専攻分野の科目を教える「ファキュルティー・アドバイザー」と呼ばれる担当指導教官が割り当てられます。この担当指導教官は、学校での履修科目の選択や将来の進路、大学院教育などの相談に応じ、アメリカの大学での成功の鍵を握る人物とも言えます。
留学生にはまた「インターナショナルスチューデント・アドバイザー」と呼ばれる留学生アドバイザーが割り当てられ、アメリカ生活に適応する手助けをしてくれる一方で、ビザや住宅、書類、授業日程などに関する質問に答えてくれます。また留学生課ではよく、留学生のために観光旅行や映画観賞、レストランでの食事などの課外活動を企画します。このような活動に参加することによって、日本から来た留学生とも知り合うことができます。

講義

クラスの規模は、1クラス数百人の大講義から、少人数の学生で構成されるディスカッションクラスやセミナークラスまで、大学によって異なります。大学前半の2年間は、ほとんどの学生が同じ必修科目を学ぶため、クラスの規模は大きくなります。学生はたいてい小グループに振り分けられるので、各自その科目についてじっくり学べる仕組みになっています。クラスで他の学生と交流することは、アメリカの大学で学ぶ上で重要です。
大学では、次の授業までに教科書や文献を読んだり、レポートを提出するなど、毎週何らかの課題が出されます。学生は授業についていくよう求められ、授業中に指されたら質問に答え、その項目について手短にしっかりと説明しなければなりません。大規模な大学では、たいてい「ティーチングアシスタント」と呼ばれる助手がディスカッションを導いたり、試験の採点付けをします。この助手の大半は、その分野に精通する大学3、4年生または大学院生です。理科系やコンピューターを専攻する学生はまた、実験室やラボで時間を費やすことが要求されます。

学年度

アメリカでは普通、授業は8月か9月に始まり、5月か6月に終了します。アメリカの主要な祭日であるサンクスギビングとクリスマス(11月下旬および12月末にかけて)の時期には必ず休暇があるほか、スプリングブレークと呼ばれる春休みもあります。春休みは、友人たちとバケーションに出掛ける学生が多い時期です。学校に入学する時期としては、留学生向けのプログラムも多数始まる8月か9月が最適です。
学年度は、ターム(学期)制、セメスター(2学期)制、クオーター(4学期)制、トライメスター(3学期)制など、学校によって分け方が異なります。多くの大学ではサマープログラムが選択できます。クラスは小規模なので、留学生向きです。

単位

各クラスには、それぞれ決まった「単位(クレジット)」または「単位時間数(クレジットアワー)」が割り当てられています。歴史のような一般的なクラスでは3?5単位がもらえます。単位時間数は、1週間の授業時間数と教材の複雑さなど、クラスの内容に応じて決まります。各自の担当指導教官や留学アドバイザーに単位制度について尋ねると同時に、履修すべき単位数を確認しましょう。1学期間に12?15単位の履修が一般的ですが、留学生がビザを維持するためにもこれだけの単位数を取る必要があります。

編入(トランスファー)

新しい学校に移る場合、前の学校で取得した単位は通常、編入先の単位として認められます。しかし、以前の学校での単位が振り替え可能かどうかは、編入先の大学が決めることです。編入前に、両方の学校のアドバイザーに相談してください。

評価・成績

各学生は教授より、履修する科目毎に評価を受けたり、「成績(グレード)」をもらいます。大学では、成績を意味するグレードやグレードポイントに関する話をよく耳にすることになるでしょう。成績は以下の要素を基準につけられます。

  • 授業参加度:アメリカでは、授業に積極的に参加することが非常に重要です。クラスディスカッションに貢献し、質疑応答するなど、授業内容を理解しているような振る舞いが要求されます。
  • 中間試験:通常、授業時間中に行われ、成績に大きく関わります。学期の半ば頃に実施されます。
  • レポートまたはペーパー:数枚の詳しい研究論文や実験レポートも、成績に大きく関わってきます。課題に対する理解度、筆記能力、その他の数多くの要因が成績に影響します。
  • 小テストまたは「クイズ」:時々前触れなく「サプライズクイズ」と呼ばれる抜き打ちテストが実施されますが、成績自体にはあまり影響なく、学生に宿題を促す目的で行なわれます。事前にクイズの予告をする教師もいるので、その場合はテストに備えることができます。大学によっては、このような小テストを成績の一部としてカウントしたり、学生の出席の有無を調べる方法として用いています。
  • 期末試験:学生の授業に対する知識と能力を問う学期末試験で、成績に多大な影響をおよぼす、非常に重要なテストです。

大学院教育

多くの学問分野でさらなる専門知識を得るには、大学院の学位が必要とされます。修士号や博士号が取得できる大学院は、特定の分野を専門的に学ぶ場です。国によっては、大学院レベルでの留学しか認めないところもあります。自分の専攻分野で大学院の学位が必須かどうか、またその学位が日本で認められるかについて、文部省に問い合わせたり、大学の担当アドバイザーに尋ねるなどして確認しておきましょう。

修士号:修士号を取得するには普通、2年間ほどかかり(それよりも短期間で取得できる場合もあります)、学士号取得に比べ、より厳しい勉強が要求されます。歴史や哲学、心理学、科学などの分野を学ぶ修士課程は、博士号取得に向けての足掛かりと見なされます。しかしその一方で、MBAのような経営学修士号は、それだけで就職に有利となります。修士課程では、ほとんどの時間を教室での勉強に費やし、修士号取得には通常修士論文と呼ばれる研究論文の提出が要求されます。成績の良し悪しはこの論文によって大方決まります。最近の傾向として、修士課程では個人レベルでの勉強や研究に比重を置くようになってきています。

博士号 (Ph.D.) :最近では、修士号を取得せずに博士課程に直接進学を許す学校が多くなっています(この件に関しては、担当アドバイザーにお尋ねください)。中には、両方を同時に取得できる学校もあります。博士課程に進学する学生は「キャンディデート(博士号取得志望者)」と呼ばれ、授業にも参加しますが、たいていは単独で研究を行います。また、教授や教授会と密接に関わりあい、共に研究を進めていきます。博士課程では、個人で学問を進めていく能力が非常に問われます。博士号取得にはアメリカ人学生で3、4年かかり、留学生だとそれ以上の年月がかかる場合があります。
博士課程の前半2年間は教室やセミナーで学び、その後の数年間は単独で研究に没頭することになります。研究期間中の勉強は非常に厳しく、自分の学説を打ち立て、それを証明することが要求されます。博士号取得には、自分の意見を発表し、擁護する能力が問われると同時に、教授会での口頭試験にも合格しなければなりません。
また、分野によっては、外国語の知識が要求され、研究自体をその言語で行うことが義務付けられることもあります。 博士号は世界的に高く評価されているだけでなく、博士号取得に費やした努力も称賛されます。

アメリカの高等教育が受けられる学校機関

州立大学:
ほとんどのアメリカ人は州立大学で高等教育を受けます。学費は一般的にそれほど高くはありませんが、州外からの学生および留学生は別途料金を支払うことが多いようです。州立大学は州政府から補助を受け、運営されています。アメリカ各州には州立大学が最低1校あり、州によっては単科大学を複数運営するところもあります。また、州立大学の中には、大学名に「州立(ステート)」という文字を入れているところもあります。

私立大学:
私立大学は私営の大学で、州立大学に比べ、学費が割高なことがあります。また、私立大学は通常、州立大学よりも規模が小さく、世界規模の大きな卒業生ネットワークを有します。

二年制短期大学:
短期大学では高校を卒業した学生を受け入れ、準学士号(アソシエート・ディグリー)と呼ばれる短大卒の学位が授与されます。短期大学には州立と私立があり、そこに通う学生の多くは、短大で得た単位を利用して四年制大学に編入し、学士号を取得します。就職先によっては、準学士号の資格では不十分なこともありえますので、事前に下調べを行いましょう。

コミュニティカレッジ:
公立の二年制短期大学のことで、卒業すると準学士号が取得できます。コミュニティカレッジは市や郡などの地域住民のために運営され、自宅通学者や夜間学生が大半を占めています。ここでは、様々な年齢やバックグラウンドを持つ学生が学んでいます。 また、コミュニティカレッジは、留学生向けのプログラムが豊富なだけでなく、無料で個人指導を行う学校も多いなど、受け入れ体制が整っていることから、留学生にとっても非常に良い選択と言えるでしょう。優れたESLプログラムや集中英語コースを有するところも多く、クラスは少人数制で馴染みやすいという利点があります。
コミュニティカレッジの多くには「大学編入コース」が設けられており、ここで得た単位を四年制大学に振り替えて編入することができます。この制度を利用すると、異なる2校で学んだとしても、両方の学校で取得した単位は合算されるので、最終的に編入先の四年制大学で学士号を取得することになります。 この他にも、コミュニティカレッジでは多様な職業訓練プログラムを設けています。それぞれのカレッジごとに傾向があるため、希望のプログラムが、あるコミュニティカレッジになくても、同州内の別のカレッジで見つけることもあります。卒業すると、準学士号や認定証が授与されます。準学士号は、ほとんどの国々で正式な学位として承認されています。

プロフェッショナルスクール:
芸術や音楽、エンジニアリング、ビジネス、その他の職業分野において、学生を専門的に訓練する学校のことを言い、あるものは総合大学の一部に含まれ、またあるものは独立した別校となっています。中には大学院の学位が取得できる学校もあります。

インスティテュート・オブ・テクノロジー(科学技術研究所):
四年制大学に付属するものもあれば、独立した学校もあります。科学技術系の分野で大学院コースを設けているか否かは学校によって異なります。

テクニカル・インスティテュート(技術研修所):
これらの学校では医療技術や産業工学などの訓練が受けられます。四年制大学に容易に編入できるか、日本でその学位を認めているかなど、確認しておきましょう。

教会/宗教系大学:
アメリカ建国初期に創設された大学の中には、宗教団体の後援によるものがいくつもあります。どの大学も通常、宗派を問わず学生を受け入れますが、大学によっては、学生の大半が同じ宗教を信仰し、特定の規則(キャンパス内での飲酒および喫煙禁止など)を守ることが求められます。聖書クラスのような宗教コースを必修とする大学もあるものの、近頃ではこのようなケースはあまり見られなくなってきています。

100 Things Every International Student Ought to Know
The Cambridge Stratford 出版

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